毎夜毎夜、太陽は深淵から生じる
生まれたての太陽は漆黒の熱を宙に放ち、
星を焼き尽くして朝を造る
新しい太陽は漆黒の火で地平線を引き、
夜から夢を解き放して大地を造る
太陽は漆黒の光で死を目覚めさせ、
生命に生命を顕わにする
太陽の
熱は、火は、光は、血
生命の血
生命に太陽が脈打ち流れる

　　　　
　　　　
太陽が、宙に浮く
手をひろげ
大きく息を吸い
重力に従いながら宙に浮く
太陽を放した深淵は漆黒の大地へと姿を変え、
あらゆる生命の踊り場となる
大地に血が脈打つ
血の漆黒はどくどくと大地を潤す
太陽は大地のひとしずく
大地は太陽のひとしずく
太陽も大地も血を分け合った深淵
踊り狂う深淵

　　　　
　　　　
太陽は宙に浮かせたその身をそっと大地に着ける
太陽が大地に立つ
太陽は昇らない、大地に立つ
踊るために大地に足を着ける
歌うために血に足を浸す
大地とともに踊り狂う為に
太陽は立つ
生命とともに歌い狂う為に
太陽は立つ
立つ為に
立つということの奇跡、歓喜、法悦を
太陽は今、味わっている

　　　　
　　　　
太陽が
狂う
踊る
歌う
跳ねる
廻る
叫ぶ
笑う
鳴く
呪う
愛する
祝う
生きる
死ぬ
喜ぶ
悲しむ
怒る
震える
祈る
眠る
食べる
吸う
吐く
泣く
咲く
歩く
立つ
生きる
生きる
生きる
太陽が
太陽が
太陽する

　　　　
　　　　
太陽が目を開ける
コケコ
コケコ
コケコッコ
立つことは、目覚めること
コケコッコ
眼を閉じたまま立つことはできない
コケコッコ
太陽が目覚めた
太陽鶏が胸をはる
コケコッコ
太陽鶏が雷を吹く
ピカ
ごろごろ
コケコッコー

　　　　
　　　　
鶏鶏鶏鶏
雷雷雷雷
鶏鶏雷雷
雷雷鶏鶏
鶏雷鶏雷
雷鶏雷鶏
鶏雷！